アトピー性皮膚炎は繰り返す慢性の湿疹と皮膚の乾燥が特徴的な皮膚疾患で、遺伝的な要因(アトピー素因といいます)と、環境因子(ダニやハウスダスト、ストレスなど)とが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
乳幼児期にアトピー性皮膚炎を罹患していると気管支喘息やアレルギー性鼻炎も併発する可能性が高い(アレルギーマーチ)ことはよく知られていますが、近年では荒れた皮膚を介して食物アレルギーを誘発する可能性が考えられるようになっており、早期に適切な治療を開始することが重要です。
また、衛生環境の改善とともに有病率の上昇が知られており、近年では大人になってから発症されたり、幼少期には軽い症状だったものが大人になってから急激に悪化することも決してまれではありません。
アトピーの方は生活環境のちょっとした変化や日常のストレスなどをきっかけにして急激に皮疹が悪化することがあり、日常から適切なケアをすることが重要です。
アトピーを悪化させている原因がないか調べるため、血液検査やパッチテストを必要に応じて行います。
治療はステロイドの塗り薬を中心に保湿などのスキンケアをまめに行いますが、残念ながら難治の方もいらっしゃいます。そのような方には免疫抑制剤の飲み薬(ネオーラル)を使用することがあり、定期的な血液検査が必要になりますが、当院で対応可能な治療法です。